やっぱし舞台が好き!

芝居、ミュージカル、バレエ、ダンス、クラシック、コンサートなどの舞台観賞が大好きです。 観劇の個人的な感想をつらつらと書いてます。 たまに、ちょっとした体験談や気になったことも・・・。

【観劇】骨と軽蔑(KERA CROSS第五弾)

骨と軽蔑(KERA CROSS第五弾)

骨と軽蔑(KERA CROSS第五弾)

作・演出: ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演: 宮沢りえ、鈴木杏、犬山イヌコ、堀内敬子、水川あさみ、峯村リエ、小池栄子
観劇日: 2024年2月28日(水) 12:30
上演時間: 第1部(95分) / 休憩(20分) / 第2部(65分)
劇場: シアタークリエ
チケット代: 12,500円(16列) [パンフレット代:2,000円]


【感想】

よくぞこれだけ豪華な女優さんたちを集められたもんです。
個人的には、ここに緒川たまきさんも加わって欲しかった 笑。

何十年か前のとある国。
この国では、西と東に分かれた内戦が長いこと続いています。
若い男性の多くが戦死してしまった(?)ため、今では女性や子供までが戦地に送り出されている状況です。
軍事産業で財をなした西側の邸宅には、作家のマーゴ(宮沢りえさん)、妹・ドミー(鈴木杏さん)、母・グルカ(峯村リエさん)、使用人・ネネ(犬山イヌコさん)、病気で寝たきりの父親、そして付きっきりで看病している秘書のソフィー(水川あさみさん)が暮らしています。
マーゴには夫がいましたが、半年ほど前に出て行ったきりで消息不明。
時折、手紙が届きますが、ドミーが読んでマーゴには隠しています。
そんなある日、マーゴの熱烈なファンのナッツ(小池栄子さん)がやってきて……。

セットは、彼女たちが暮らしている邸宅です。
シーンによって(セットチェンジせずに)リビングになったり中庭になったりする、ケラさんの舞台では時々見かける例のやつです。
この構造を逆手にとって、庭にいるていのネネにグルカが室内から話しかけて笑わせたりするシーンも。

プロジェクションマッピングは今回も見事でしたが、オープニングのキャスティング紹介はありませんでした。ちょっと楽しみにしていたんですが。

ここから先はネタバレになりますのでご注意を。


-------- 以下、ネタバレ --------------------

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【観劇】中村仲蔵 〜歌舞伎王国 下剋上異聞〜

中村仲蔵 〜歌舞伎王国 下剋上異聞〜

中村仲蔵 〜歌舞伎王国 下剋上異聞〜

脚本: 源孝志
演出: 蓬莱竜太
出演: 藤原竜也、池田成志、髙嶋政宏、市原隼人、浅香航大、尾上紫、今井朋彦、廣田高志、植本純米、古河耕史、深澤嵐、斉藤莉生、原川浩明、木津誠之、稲葉俊一、丸川敬之、永澤洋、草彅智文
パーカッション: 萱谷亮一/奥田真広
観劇日: 2024年2月19日(月) 13:00
上演時間: 第1部(70分) / 休憩(20分) / 第2部(80分)
劇場: 東京建物ブリリアホール
チケット代: 特等席 13,000円(H列) [パンフレット代:2,000円]


【感想】

昨年、この舞台のお知らせを初めて見た時、藤原竜也さんと歌舞伎は絶対に合う、と確信しました。
映画やドラマでも、ちょっと大袈裟で舞台がかった演技は(あの有名な「キンキンに冷えてやがる」みたいなのも含めて)、どこか歌舞伎に通じるような気もします。
何より芝居にかける情熱が中村仲蔵とオーバーラップしそうだし。

時は江戸時代中期。
一人の孤児・のちの中村仲蔵(藤原竜也さん)が、中村座で唄方をつとめる夫と振り付けを教える妻の養子になります。
養母(尾上紫さん)から踊りを厳しく教えられ、歌舞伎の世界に入りますが、そこは血筋がものをいう世界。
しかし、次第にその才能を開花させ、名題に上り詰めようと決心しますが……。

やはり藤原竜也さんと歌舞伎の、そして中村仲蔵との相性は抜群でした!

これ、2021年にNHKでドラマもやってたんですね。中村勘九郎さん主演で(脚本はこの舞台と同じ源孝志さん)。
全然ノーマークでした。
ドラマを見逃がしたのは残念だけど、勘九郎さんと比べたり、変な先入観を持たずに観劇に臨めたのは良かったかな。

ここから先はネタバレ含みますので、ご注意を。


-------- 以下、ネタバレ --------------------

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【観劇】欲望という名の電車

欲望という名の電車

作: テネシー・ウィリアムズ
翻訳: 小田島恒志
演出: 鄭義信
出演: 沢尻エリカ、伊藤英明、清水葉月、高橋努、青木さやか、福田転球、中村まこと、久保酎吉、うらじぬの、青木瞭、五味良介、丸山英彦、山村涼子、平岡亮、松田佳央理、安野澄
観劇日: 2024年2月15日(木) 18:00
上演時間: 第1部(110分) / 休憩(15分) / 第2部(80分)
劇場: 新国立劇場 中劇場
チケット代: 12,000円(2階2列) [パンフレット代:2,500円]


【感想】

問題を起こした俳優が「舞台から出直す・やり直す」みたいな記事を時折見かけることがありますが、その度に何かモヤモヤしたものを感じてました。
映像と舞台、どちらが上とか、どちらが偉いとか、そんなことはないはずなのに……「売れる=ドラマや映画に出る」って図式があるからなんでしょうか、何となく舞台を"足がかり"みたいに捉えられるような表現に、毎回モヤっとしてしまいます。
おそらくは俳優自身がそう言ったってことではなくて、そういう風に(勝手に)記事にしたって思いたい。
この舞台も色々と注目を浴びてますが、できればそんな雑音は抜きにして観劇に臨みたかったですね。

アメリカ南部のニューオーリンズ。
裕福な少女時代を過ごしたブランチ・デュボア(沢尻エリカさん)は、高校の英語教師をしていましたが、実家の大農園を失い、妹・ステラ(清水葉月さん)の住むこの街にやってきます。
しかし、ここは粗野で下品な人々が集まっており、ステラの夫・スタンリー(伊藤英明さん)もポーランド系の肉体労働者で、お高くとまっているブランチとは反りがあいません。
そんな中、スタンリーの友人・ミッチ(高橋努さん)がブランチに惹かれ、ブランチも二人の将来のことを考え始めますが、スタンリーがブランチの過去のことを調べてきて……。

沢尻さんのブランチ、良かったです。
私は、大竹しのぶさんの『欲望という名の電車(2017年)』を観ましたが、それとはまた違ったブランチで。
とても綺麗で派手やかなんだけれど、本当の上流階級には及ばない、そんな微妙な佇まいが見事でした。

これ以上は、舞台の内容に触れてしまうので、まだご覧になってない方はご注意を。


-------- 以下、ネタバレ --------------------

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【観劇】パートタイマー・秋子 (二兎社公演47)

パートタイマー・秋子

パートタイマー・秋子

作・演出: 永井愛
出演: 沢口靖子、生瀬勝久、亀田佳明、土井ケイト、吉田ウーロン太、関谷美香子、稲村梓、小川ゲン、田中亨、石森美咲、水野あや、石井愃一
観劇日: 2024年1月23日(火) 18:00
上演時間: 第1部(1時間15分) / 休憩(15分) / 第2部(1時間10分)
劇場: 東京芸術劇場 シアターウエスト
チケット代: 7,000円(マチネ料金:B列) [パンフレット代:1,000円]


【感想】

二兎社の舞台は好きなんですが、ここ2〜3年はスケジュールが合わなくて観れてませんでした。だから今回は久々。
この作品は2003年が初演だとか(青年座で)。
でも私は初見で、沢口靖子さんを舞台で拝見するのも初めて。

夫の会社が倒産し、働きに出なければいけなくなった樋野秋子(沢口靖子さん)。
成城で専業主婦をしていた彼女は、自宅から1時間半もかかるスーパー「フレッシュかねだ」にパートとして採用されますが、そこは様々な問題を抱えている職場で……。

ジリ貧のスーパーを立て直すって話は、映画なら『スーパーの女』(伊丹十三監督)とか『県庁の星』(主演:織田裕二&柴咲コウ)なんかを思い出しますが、この舞台は映画のような"諸手を挙げてのハッピーエンド"ってわけにはいかず。
まあ、永井愛さんのことですから、それは覚悟していましたが、思いのほか笑える作品だったのは少し意外だったかも。

ここから先はネタバレになりますので、ご注意を。


-------- 以下、ネタバレ --------------------

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【観劇】シラの恋文

シラの恋文

作: 北村想
演出: 寺十吾
出演: 草彅剛、大原櫻子、工藤阿須加、鈴木浩介、段田安則、西尾まり、明星真由美、中井千聖、宮下雄也、田山涼成、(ナレーション)高橋克実
観劇日: 2024年1月15日(月) 12:00
上演時間: 1時間40分(休憩なし)
劇場: 日本青年館ホール
チケット代: S席 11,000円(1C列) [パンフレット代:1,000円]


【感想】

最近、自分の勝手な思い込みのせいで、観劇の時に混乱することがしばしばあります。
先日は『オデッサ』がシリアスものと思い込んでたし、昨年は『レイディマクベス』がマクベスのサイドストーリーだという先入観を持って観始めたせいで、なかなか物語に入り込めませんでした。
で、今回も『シラノ・ド・ベルジュラック』のアレンジ(舞台を日本や現代に移した)だろうと想像していましたが……。

時は2035年。地球の気候変動は進み、日本も四季が曖昧になってきた近未来。
世界ではコロナによって毒性を強めた結核が蔓延っています。
ある日、とある結核療養所に、テンガロンハットを被り、ギターケースを抱えた鐘谷志羅(草彅剛さん)が療養にやってきます。
そこには医師(段田安則さん)や牧師(鈴木浩介さん)、先住の療養者たちが暮らしていますが、まだ誰一人、完治して療養所を出た者はいません。
入所の挨拶をしていた志羅ですが、療養者の一人・小夜(大原櫻子さん)と目があった途端、二人は急に動けなくなり……。

志羅っていうくらいだから草彅剛さんがシラノで、大原櫻子さんがロクサーヌってことですね。じゃあクリスチャンは?誰?なんて思って観始めたもんだから、なかなかラブレターの代筆の話が出てこないし、そもそも草彅剛さんは不細工でもないことに戸惑ってしまって。
だから、これは『シラノ・ド・ベルジュラック』の様々なファクターを散りばめた全く違った物語だと気づくのに、だいぶ時間を要してしまいました。

ここから先は、ネタバレになりますので、ご注意を。


-------- 以下、ネタバレ --------------------

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【観劇】オデッサ

オデッサ

作・演出: 三谷幸喜
出演: 柿澤勇人、宮澤エマ、迫田孝也、(ナレーション)横田栄司
音楽・演奏: 荻野清子
観劇日: 2024年1月9日(火) 14:30
上演時間: 1時間45分(休憩なし)
劇場: 東京芸術劇場 プレイハウス
チケット代: S席 9,800円(E列) [パンフレット代:1,800円]


【感想】

2024年の観劇初めは、この舞台から。
チラシの雰囲気なんかを見ると、かなりシリアスな話になるのかと思いきや……。

1999年。テキサス州のオデッサ。
老人が鈍器で撲殺され、現金が奪われるという事件が発生します。
現場近くで怪しい日本人(迫田孝也さん)が捕まりましたが、彼は英語を話すことができません。
取り調べを受け持つ警官(宮澤エマさん)は、現地に来て4年の民間人の青年(柿澤勇人さん)に通訳を頼みましたが……。

今までにも様々なシチュエーションでの"すれ違い"や"勘違い"で笑わせるというのはありましたが、通訳を使うというのは、ありそうでなかったかも。
とは言っても全編英語ではなくて、日本語吹替のように話すシーンもあります。
通訳する場面では、後ろの壁が少し前に移動して、そこに字幕が映し出されるという演出。
その字幕表示にも色んな遊びが施されていて、観ていて飽きません。

物語の内容に触れるとネタバレになってしまいますので、ここから先は、まだ観劇されてない方はご注意を。


-------- 以下、ネタバレ --------------------

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【観劇?】天海と友近、結局飯尾 THEオーディション3(夜公演)

天海と友近、結局飯尾 THEオーディション3(夜公演)

出演: 天海祐希、友近、飯尾和樹
観劇日: 2023年12月14日(木) 17:30
上演時間: 約2時間5分(休憩なし)
劇場: 大田区民ホール・アプリコ 大ホール
チケット代: S席 10,000円(13列) [パンフレットなし]


【感想】

今年も演ってくれました!ありがとうございます!
年々、規模が大きくなって、最初はフジテレビの湾岸スタジオだったのが、昨年は有楽町よみうりホールでキャパ約1100人。
今年は大田区民ホール・アプリコ大ホールでキャパ約1500人!

チケット争奪戦も熾烈を極め、事前の抽選および一般発売では、ことごとく敗戦してしまいました。
でも、今年はFODで配信してくれるとのこと(FODに入会しなくても12月20日まで購入・視聴可能 → ここから申し込みできます)。
諦めて配信で我慢するかと思いましたが、昨年は開演の数日前にe+で密かにチケットが再販されていたので、今年もそれに望みをかけました。
仕事の合間でもちょこちょこチェックしてましたが、私が気づかなかったのか、販売される気配はなし。
しかーし、この舞台のホームページを見たら追加席発売のお知らせが!
受付は12日の7時から14時59分までという数時間だけ。
最後のチャンスと申し込むも、これもあえなく玉砕……でもキャンセル待ちにも希望を出していたので整理券番号をゲットし、ダメ元で当日会場へ。
キャンセル待ちに並んでいた人数は十数名。
私の整理券番号は若かったので、何とかチケットを入手することができました!
しかも、13列というなかなかの良席。
先日の『ジャンヌ・ダルク』が観劇納めだと思ってましたが、この舞台?が観劇納めとなりました。

ここから先はネタバレになりますので、ご注意を。
なお、初回前回の感想も掲載していますので、どんなことを演るのか、ご興味のある方は参照ください。


------- 以下、ネタバレ ----------

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【観劇】ジャンヌ・ダルク

ジャンヌ・ダルク

演出: 白井晃
脚本: 中島かずき
音楽: 三宅純
監修・原案: 佐藤賢一
出演: 清原伽耶、小関裕太、りょう、神保悟志、岡田浩暉、榎木孝明、福士誠治、島村龍乃介、深水元基、山崎紘菜、坪倉由幸、野坂弘、ワタナベケイスケ、粟野史浩、進藤ひろし、松上順也、稲葉俊一、嶋村昇次、森野憲一、古木将也、樋口裕司、稲葉まどか、竹一穂香、青山裕樹、有田あん、井澤耕平、市川恭之介、市川茂樹、いっしー、伊藤俊成、今富はな、侑沙、牛窪航平、瓜生憲、江刺家伸雄、遠藤翔平、大浦司、大山翔、オカモトジョージ、奥住直也、奥田龍平、奥野隆之、柿本龍星、瓦谷龍之、木香花菜、北島大昴、木ノ下藤吉、キムヒョンシク、沓澤虎徹、鍬野侑大、小高廉斉、小谷和夢、小見山素朴、境悠、サネユータ、庄子俊徳、杉井孝光、杉山将生、角谷良、高草木淳一、高橋拓巳、滝口匠、竹内穂乃花、田島あい、田中亜美、千依、鳥井燎、中島日蓉、中西彩乃、中村深月、中山優希、長瀬将暉、長田有正、長田優花、夏河京平、滑川綾菜、成田匠、西山直秀、はざきあまね、初鹿野海雄、早川勇平、林浩太郎、菱沼祐太、廣田奈美、藤原夏希、舞沢萌愛未、巻尾美優、増山海里、松元飛鳥、松本大吾、真野壱弥、丸山ひろき、深月要、南井一秀、宮崎甲、宮部大駿、村田正純、望月駿、森宏仁、山上晃二、山崎恭輔、山田貴之、山本賢太、柚木涼汰、吉田裕貴、吉仲真輝、米山綾香、和田悠
観劇日: 2023年12月12日(火) 18:00
上演時間: 第1部(75分) / 休憩(20分) / 第2部(80分)
劇場: 東京建物ブリリアホール(豊島区立芸術文化劇場)
チケット代: SS席 20,000円(E列:最前列 パンフレット・オリジナルグッズ込み) [パンフレット代:2,500円]


【感想】

この演目、大好きで再演を切望していたんですよね。
でも、出演者が総勢100名以上なので、コロナ禍になってからは当分無理だろうなと諦めていました。
それが5類になった今年、早々に実現してくれるとは!

初演は堀北真希さん、二回目は有村架純さん、お二人ともこれが初舞台となった作品。
そして、今回は清原伽耶さんで、これまた初舞台。
絶対いい席で観たいと思い、奮発して2万円のSS席(前方2列のセンターブロックが確約され、パンフレットとオリジナルグッズ付き)にしました。
幸運にも最前列をゲットでき、迫力ある舞台を堪能することができました。

ドムレミ村で羊飼いをしていたジャンヌ(清原伽耶さん)は、13歳の時に「フランスを救え、フランス国王を救え」という神の声を聞きます。
3年後、イングランド兵の襲撃にあった彼女は、傭兵レイモン(坪倉由幸さん)やケヴィン(島村龍乃介さん)の助けもあり、何とか難を逃れます。
これを機に、王太子シャルル(小関裕太さん)と謁見し、自ら戦に赴いて、見事オルレアンを奪還しますが……。

ステージは八百屋舞台で、一番手前は全面が階段状になっています。
戦闘シーンになると、キャストがこの階段を転げ落ちて、足元近くで倒れたりします。
途中、大勢の兵士がステージをぐるぐる廻った時には、その動きで出来た風がこちらにまで流れてきて、戦いに巻き込まれたような臨場感を味わうことができました。
やっぱSS席にして良かった 笑。

一幕はジャンヌによってフランス軍が劣勢を盛り返し、シャルルが戴冠して国王になるまで。
二幕はジャンヌの勢いが弱まり、イングランド軍に捕えられ、火刑に処されるまでを描きます。

まずは何といっても清原伽耶さん
チラシを見た時は、一瞬、誰?って思うくらい、今までのイメージとは違ってましたが、舞台では期待通り、いや期待以上。
先にも書きましたが、この作品、三作とも初舞台となる女優さんを起用しています。
初めての舞台で、しかも、ベテランを含む総勢100名以上の出演者を引っ張っていかなければならない座長の重積は相当なものだと思います。
でもこれが、いたいけな少女が屈強な男たちを束ねて、イングランド軍相手に戦いを挑むといったジャンヌの姿に、どことなく重なるわけです。
だから舞台経験のない若手の女優さんをキャスティングするんでしょうか。
甲冑を着こなせてない感じや重そうに旗を振るところなんかは、何故この少女が戦わなければいけないのかといった理不尽さを、より物語っているかのようでした。

シャルル役の小関裕太さんも良かったですね。
ジャンヌとは反対で、前半は頼りなくて周りの意見に振り回されてばかりです。
それがラストでは、ジャンヌの遺志を継ぎ、和平へ向けての決意を固めます。
涙を流しながら自分の不甲斐なさを責め、側近のトレムイユ卿(神保悟志さん)の悪事を断罪する姿はカッコよくて凛々しかったです。

カッコいいと言えば、傭兵レイモン役の坪倉由幸さん
レイモン役って、初演は田山涼成さん、二回目は堀部圭亮さんと、申し訳ないですが"カッコ良さ"を売りにしていない俳優さんたち。
坪倉さんもそう。
でも、このレイモンが本当にカッコいいんですよね。
討ち死にするシーンなんて、漫画に出てくるヒーローそのものって感じで。
芸人さんっていう枠を取っても、めちゃくちゃ演技が上手くてビックリしました。

他にも、トレムイユ卿の神保悟志さんやコーション司教の榎木孝明さんらが、きっちりと憎まれ役を演ってくれるので、物語がビシッと締まります。
イングランド軍のベッドフォード公(岡田浩暉さん)は、最後、実はいい奴なんじゃないかって思わせてくれるのもアクセントとなってます。

それにしても、毎回思うのですが、宗教裁判の何と理不尽なことか!
科学的じゃないってことだけならまだしも、結論ありきで大の男たちが策略を企てる。
その卑劣さに毎度毎度憤慨してしまいます。

そして、改めて感じるのは宗教の怖さ。
これまで、『ジャンヌ・ダルク』って「フランスに突如舞い降りた女神」という単純な物語として楽しんでました。
ジャンヌ・ダルクやフランス軍が「善」で、イングランド軍が「悪」のように描かれるので、そう観てしまうのは仕方ないですが、昨今の(昔から続いてますが)パレスチナ問題なんかを見ると、いくらジャンヌでも「神の声に導かれて」っていう言葉がとても危ないものに感じられます。
神のためには命も捨てられるっていうのも、私には、そして多くの日本人には考えられないこと……。

まあでも、そうは言っても、やっぱし迫力あるし、感動するしで、ますますこの演目のファンになってしまいました。
今年の観劇納めにふさわしい舞台でした。
次回は誰がこの作品で初舞台を踏むのか楽しみです。
それまでに百年戦争とか中世ヨーロッパの歴史とかをもう少し学んでおかなければ。

【観劇】OUT OF ORDER

OUT OF ORDER

作: レイ・クーニー
演出: マギー
出演: 中村倫也、ユースケ・サンタマリア、山口紗弥加、猫背椿、加治将樹、春海四方、平井珠生、森下能幸、坂田聡、トリンドル玲奈
観劇日: 2023年12月7日(木) 18:30
上演時間: 第1部(70分) / 休憩(20分) / 第2部(60分)
劇場: 世田谷パブリックシアター
チケット代: S席 9,900円(2階A列) [パンフレット代:2,000円]


【感想】

劇場に着いて驚愕したのは、中村倫也さんの人気ぶり!
物販購入の列が劇場からはみ出し、ロビーのあまりの混雑ぶりに、一時、入場制限がかかったほど(まあ、販売方法にも問題あったと思いますが)。
今年2月の『ケンジトシ』ではチケット争奪戦に敗れ、某チケットリセールサイトでは5万円くらいの高値で取引されていたので(これって違法?)、何となく中村倫也さんがスゴイことになってる雰囲気は感じていましたが……。
今回は幸運にもチケットをゲットすることができましたが、それでも2階席になってしまいました。

クリスマスイブの夜。ロンドンにあるホテルのスイートルーム。
国会では議会が開催されているにもかかわらず、与党副大臣のリチャード(ユースケ・サンタマリアさん)は、野党党首の秘書・ジェーン(山口紗弥加さん)と密会をしています。
いい雰囲気の二人でしたが、カーテンを開けると、そこには謎の男(晴海四方さん)が窓に挟まれて死んでいました。
警察を呼べば、二人の関係がバレてしまう。
困ったリチャードは、秘書のジョージ(中村倫也さん)を呼びつけ、「何とかしろ」と無茶な命令をしますが……。

いやあ、面白かった!
「OUT OF ORDER」って、学校では「故障中」と習いましたが、他にも「いかれてる、狂ってる、規則に反して、不適切で」のような意味もあるんですね。
リチャード、ジョージ、ジェーンに降り掛かるトラブルを、その場しのぎの連続で解決しようとするドタバタコメディ。
私は、この舞台は初見でしたが、三谷さんの作るコメディっぽくて(まあ三谷さんの方が後ですけど)好きでしたね。

ここから先はネタバレしますので、ご注意を。


-------- 以下、ネタバレ --------------------

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【見学会】国立新美術館 建築ツアー2023 Winter(スタンダードコース)

国立新美術館

とある日曜日の午前、国立新美術館の建築ツアーに参加しました。
これは不定期で開催されるもので、私は国立新美術館のメーリングリストに登録していたので、そこからのお知らせで知ることができました(ホームページにも掲載)。

いくつかのコースがあって、私が参加したのは「スタンダードコース」というもの。
事前に応募をして、人数が多ければ抽選という形になります。
今回は、時間帯を分けて複数のツアーが開催されましたが、応募総数は600名ほどだったらしいです。

3階にあるセミナー室にて、指定された時間までに受付をします。
この回のツアーは、2班に分かれ、それぞれが12人ほどだったでしょうか。
受付では、肩にかけられる小さなバッグを貸してくれて(このバッグが参加者の目印になる)、そこに貴重品などを入れ、他の荷物はロッカーに預けられるようになっています。
ツアー中は、ガイドが案内してくれますが、美術館なので、あまり大きな声は出せません。
だから、参加者にはレシーバーも渡されて、それでガイドの声を聞くことができます。

まず最初に、セミナー室でツアーに関する簡単な説明と、美術館の概要を聞きます。
国立の美術館って、東京国立近代美術館とか国立西洋美術館とか京都国立近代美術館とかがありますが、国立新美術館は5番目にできたそうです。
そうか、だから、「国立"新"美術館」なんですね。
新国立劇場とか新国立競技場は、もともと国立劇場とか国立競技場があって、それを新しくしたから「"新"○○」だけど、国立新美術館は「国立○○美術館」の流れで、「国立の"新しい"美術館」という訳か。
それにしても少し安易すぎないか?「国立六本木美術館」とか「国立総合美術館」とかでも良さそうなのに……なんてことを思いながら。
こんな話などを10分ほど聞いてから、いよいよ出発。

基本的に、3階から順番に降りて行って、要所要所で説明を聞くという形です。
例えば、こんな話。
  • 床にある丸い穴は空調の吐き出し口ですが、効率よく空気を出すことができるように、ある工夫をしています、それは何か?(それが分かる実験も体験できます)。
  • この吐き出し口がランダムに配置されているのは何故か?
    国立新美術館
  • 展示スペースの壁の秘密とは?
    国立新美術館
  • レストランやカフェがある逆円錐の中には、何があるのか?
    国立新美術館
  • また何故、このような逆円錐の形にしたのか?
  • 外のガラスはどのように掃除しているのか?
などなど。

私は、普段もよくこの美術館に来て、無料の展覧会を見たり(興味があるものは、もちろん有料でも見ますが)、天気のいい日にはテラスでまったりするんですが、その時に思っていた疑問がいくつも解決されました。
ここではあえて答えは書きません。実際に参加して確かめることをお勧めします。

さて、1階まで降りると、外の遊歩道を通って、地下のバックヤードに行きます。
ここは普段では入ることができない場所。
なお、ツアー中の写真はOKですが、ここだけはNGです。
どのようなルートで作品が運び込まれるのかを実際に見ることができ、また貨物用のエレベータにも乗ることができて、本当に貴重な体験でした。

最後に、「光壁」と呼ばれるこの壁の中も、特別に見せてくれました。
国立新美術館 国立新美術館

ツアーは約1時間。
最初のセミナー室に戻り、アンケートを書き、バッグやレシーバーを返却して、お土産に缶バッチをもらって終了です。

説明も丁寧で、とても分かりやすく、建築好きの私には満足できるツアーでした。
今度はまた別のツアーにも参加してみたくなりました。

国立新美術館
写真AC
趣味で撮影した写真を
「写真AC」

に掲載しています。
無料でダウンロードできますので、よかったら覗いてみてください。

私の作品は、
ここからどうぞ!


※ 資料用としてアップしたものも多いので、「何じゃこりゃ」って写真も多々ありますが。
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