お蘭、登場

お蘭、登場

作: 北村想
演出 寺十吾
出演: 小泉今日子、堤真一、高橋克実
観劇日: 2018年6月21日(木) 18:30
上演時間: 75分(休憩なし)
劇場: シアタートラム
チケット代: S席 8,000円(G列) [パンフレット代:700円]


【感想】

江戸川乱歩なので、おどろおどろしい舞台なのかと思いきや、ミステリー・コメディ(しかも生歌あり)のような愉快な舞台でした。

ストーリーは、江戸川乱歩の様々な作品をモチーフに構成されています。
明智小五郎の名前を受け継ぐ名探偵・空地小五郎(堤真一さん)と捜査一課の目黒警部(高橋克実さん)が、殺人事件の捜査をしているところに、お蘭こと江川蘭子(小泉今日子さん)が変装して現れ、二人を翻弄していきます。
しかし、犯人はお蘭ではなさそうです。
何故、彼女は二人の捜査を撹乱するのか……そこには理由がありました。

見所はいろいろありますが、まずは何と言っても小泉今日子さんの七変化でしょう。
途中、生歌まで披露してくれます。

そして、堤真一さんと高橋克実さんの、どこまでがアドリブなのかわからない掛け合い
「人間椅子」をモチーフとした事件の中では、椅子を作っている工場から「椅子・カンパニー」→「イス・カンパニー」→「シス・カンパニー」ときて、シス・カンパニー社長の「怖いエピソード」を高橋克実さんが披露していました。

舞台セットや事件の雰囲気から、時代設定は、どうしても昭和初期のような印象を受けますが、スクリーンには2018年とか2016年と映し出されます。
とはいえ、あまり現代らしさは出てこないですが……(USBメモリが登場するくらい?)。
そんな、ちょっと変わった装いも、不思議な空気感を醸し出していました。

笑いどころも多かったですが、安っぽいドタバタ感はなく、そのあたりは、さすが熟練俳優陣だけのことはあると感じ入りました。


※ 上演時間が75分と短いのに、開始が18:30から。20時前に終わるソワレは珍しいです。何で19時開始じゃなかったんだろう?