カレフォン

カレフォン

作・演出: 鈴木おさむ
音楽: 大塚愛
出演: 廣瀬智紀、川栄李奈、戸塚純貴、柳美稀、山崎樹範
観劇日: 2018年10月11日(木) 19:00
上演時間: 2時間10分(休憩なし)
劇場: オルタナティブシアター
チケット代: 8,500円(C列) [パンフレット代:1,800円]


【感想】

少女マンガ的な世界観で、オジさんとしては、観ているこちらが恥ずかしくなるシーンも多々ありましたが……(笑)。

鈴木おさむさんの舞台は、何度か拝見したことがあり、ちょっと毒のある話が面白いなと思っていたのですが、この舞台の出だしは、かなりどストレートな青春ラブストーリー的展開。
オジさんが来るような場所じゃなかったかな、と少し後悔し始めたんですが……。

茜(川栄李奈さん)は、2年前、恋人の駿(廣瀬智紀さん)を病で亡くして、ずっとふさぎ込んでいました。
でも、徐々に立ち直り、夢だった声優を目指しながら、鞄メーカーのクレーム処理課で派遣社員として働くことに。
同僚でモデルを目指している裕美(柳美稀さん)、パワハラの上司・玉木(山崎樹範さん)、無駄に前向きな社長の息子・陸(戸塚純貴さん)らと仕事をしていたある日、以前使っていたスマホに駿からの着信が……。

死んだ彼(カレ)が、スマートフォンから話しかけるから「カレフォン」なのかぁ。
頭ぽんぽんとか、あすなろ抱きとか、こちらの顔が真っ赤になってしまう場面もありましたが、後半は、ラブストーリーというより、夢への挫折や悲しみからの再生といったことがテーマになり、気がついたら、気恥ずかしさも薄れていました。

川栄李奈さん、説明的なモノローグも多くて台詞量も半端なく、感情のアップダウンも激しい役どころでしたが、とても自然に演じられていました。
泣きのシーンもなかなかのもので、周りの女性客はもらい泣きの嵐でした。

戸塚純貴さん、キャラを上手く掴んで、山崎樹範さんがスベった?(笑)分をカバーするくらいの勢いでした。
後半は、この戸塚さんのキャラに、ずいぶん助けられた感じがします。

最後の涙は、切なくて、ちょっと悲しいけれど、明日への一歩を踏み出せる元気さもあって、清々しいラストでした。