出演: 笑福亭鶴瓶、鈴木保奈美、中井美穂(案内人)
観劇日: 2020年9月9日(水) 19:00
上演時間: 約2時間(途中10分休憩)
劇場: 赤坂BLITZ
チケット代: 2,500円(配信)


【感想】

スジナシは、ほぼ毎回、少なくとも誰か一人は観に行ってたんですが、今回はちょっとパスしてしまいました。
でも、やっぱり気になる。
ということで、生配信で観ることに
最近は動画配信が増えてきましたが、今まではどうも食わず嫌いというか……いまいち食指が動きませんでした。

今回観ようと思ったのは、「生」であるということと、そのため「ノーカット」であるということ
スジナシは、関東では、上演したその夜中にテレビでも放送するんですが、即興劇が始まるまでのオープニングトークとかが、ばっさりカットされてしまうんです。
私は、即興劇以上に、この最初の30〜40分間のおしゃべりが好きで、ゲストの方が、だんだん緊張していく様子とか、普段は見られない姿を拝見するのが楽しみです。
そして、その緊張感からの即興劇という一連の流れが「スジナシ」の醍醐味だと思っています。
で、生配信なら、このへんも観られるだろうと。

vol.12は、第一夜が市村正親さん、第二夜が志尊淳さん、最終夜が鈴木保奈美さん。
この中から、舞台ではお目にかかれない鈴木保奈美さんの回をチョイスしました。
上演10分前にパソコンをセットし、テレビにChromecastで飛ばして、開始を待ちます。
19時を2分ほど過ぎて、無事に開幕。
心配していたネットワーク切れも起きることなく(途中2回ほどChromecastの遅延がありましたが)、ストレスなく観ることができました。
スジナシのスタッフのカメラワークも見事ですしね(あのカメラ割をぶっつけ本番でやるって凄いです)。

ゲストの鈴木保奈美さん、マニッシュな服装で登場です。
カッコいい装いとは裏腹に、かなり緊張されてるのが画面越しにも伝わってきます。
スジナシのファンで、何回か観に来られたこともあったらしい(天海祐希さんの回にもいらしてたらしい)ですが、今回は、前の二人(市村正親さん、志尊淳さん)は緊張で観られなかったとか。
この一週間は、ほぼ拷問状態だったともおっしゃってました。

今夜の設定は「空き店舗物件」。以前はスタイリッシュなブティックだった感じ。
鶴瓶師匠と鈴木保奈美さんが、同時に入ってくるというスタートです。
師匠は、誰かを案内しているみたいで、鈴木保奈美さんは、スーツケースを引っ張って「ただいま」と入ってきました。
どうやら師匠は、このブティックのオーナー兼デザイナー。
鈴木保奈美さんは、師匠の弟子で、数年前からニューヨークで活躍しているようですが、二人とも、このコロナの影響で経営が苦しくなり……。

スジナシって、出演者によっては、カマしてくるというか、奇をてらったアイデアを盛り込んでくる人もいますが、今回は、結構オーソドックスな設定。
でも、その方がどうにでも転がって、うまくいくことが多いように思います。
シリアスになりすぎず、ドタバタにもなりすぎず、ちょうどいい塩梅の展開でした。
タイトルは『馬の値段』となりました。

生配信でのスジナシは、いつもと違ったことが3つ。
ひとつは、登場人物の名前を予め設定するということ(役柄ではなく名前だけ)。
そして、それを配信視聴者で応募した人の中から、直接電話して決めてもらうということ。
ふたつめは、即興劇のあとに10分間の休憩が入ったこと。
これは生配信だからという訳ではなく、換気のためらしいですが(この間も、音声はなかったですが、会場の様子はずっと配信されてました)。
最後は、公演終了後、配信限定のアフタートークがあったこと(数分だけでしたが)。
その中で、鈴木保奈美さんが舞台進出への意欲を見せていらっしゃいました。
近い将来、是非是非、舞台で拝見できることを期待しています。

※BLITZ赤坂が、今月22日に閉館するらしいですね。
お客さんを入れての公演は、これが最後とのこと。寂しい限りです。
来年のスジナシはどこで演るんでしょうか?
その頃には、安心して観に行ける世の中になっていますように。


過去のスジナシの感想はこちら