脚本: ジェシー・ネルソン
音楽・歌詞: サラ・バレリス
オリジナルブロードウェイ振付: ロリン・ラッターロ
オリジナルブロードウェイ演出: ダイアン・パウルス
翻訳・訳詞: 高橋知伽江
出演: 高畑充希、宮野真守、宮澤エマ、浦嶋りんこ、渡辺大輔、おばたのお兄さん、勝矢、佐藤正宏、黒沼亮、田中真由、茶谷健太、中野太一、藤森蓮華、麦嶋真帆、渡辺七海、藤咲みどり
BAND MEMBERS: 太田裕子、明石敏子、佐々木章、石田純、塚田剛、渡辺具義、伊藤ハルトシ、小宮哲朗
観劇日: 2021年3月16日(火) 13:00 ※ぴあ貸し切り
上演時間: 第1部(1時間15分) / 休憩(25分) / 第2部(1時間5分)
劇場: 日生劇場
チケット代: S席 14,000円(XB列:最前列) [パンフレット代:2,000円]
【感想】
もともとは映画(2007年)だったのを2016年にブロードウェイミュージカルにした作品とのこと。
緞帳がパイの図柄だったり、上手と下手にパイのショーケースがあったり、開演5分前の合図が舞台となるダイナーのチンベルだったり、幕が開く直前の「携帯を切って」というアナウンスが歌だったり……始まる前からワクワク要素がてんこ盛りです。
そして、幕が上がったら、「うん、これは確かに”ザ・ブロードウェイ・ミュージカル”」っていうオープニング!
アメリカの田舎町にあるダイナーに勤めるジェナ(高畑充希さん)は、オリジナルのパイを作るのが得意で、店の名物にもなっています。
ウェイトレス仲間のドーン(宮澤エマさん)やベッキー(浦嶋りんこさん[LiLiCoさんとWキャスト])と楽しく仕事をしていますが、ある日、ろくでなし夫・アール(渡辺大輔さん)との子を妊娠していることがわかります。
病院へ行き、ポマター医師に「妊娠は嬉しくないけど生む」と告げ、一方でパイづくりコンテストに出場して賞金を稼ぎ、アールと別れようと決心しますが……。
話自体は、様々な問題を抱えているジェナたちの苦悩も描いているので、手放しでハッピーとは言えませんが、アップテンポの歌も多く、楽しさのほうが勝っている感じ。
高畑充希さんの生歌もたっぷりと堪能できました(昨年は『ミス・サイゴン』が中止になってしまいましたからね)。
宮野真守さんも安定の歌声でしたが、翻訳もの特有の仕草とか台詞回しとかのせいもあるんでしょうか、途中からだんだんジム・キャリーに見えてしまって(笑)。
他にも宮澤エマさんや浦嶋りんこさんという錚々たるミュージカル俳優の中にいて、全く遜色なかったのがおばたのお兄さん!
観る前は、失礼ながら「大丈夫かいな」みたいに思っていましたが、いやいや歌はうまいし、身体能力は高いし、それに何よりキャラクターをものにしているという感じで。
出番はそれほど多くはなかったですが、ある意味、一番沸かせてたんじゃないでしょうか。
私も途中から彼の登場を心待ちにするようになりました。
ドーンとのカップルも微笑ましかったですし(他の二組は不倫だったりするので)。
日本の演出家だったら、小栗旬モノマネなんかを放り込んで笑いをとるみたいなことをしてたかもしれないですが、そんなことも一切なくて、”真面目に”笑わせていたのも好感が持てました。
生バンド演奏もあり、キャストも多くて、久しぶりにミュージカルを観たって感じ。
色々あったけど最後はハッピーエンドというストーリーも、このご時世、元気をもらえて良かったです。