やっぱし舞台が好き!

芝居、ミュージカル、バレエ、ダンス、クラシック、コンサートなどの舞台観賞が大好きです。 観劇の個人的な感想をつらつらと書いてます。 たまに、ちょっとした体験談や気になったことも・・・。

加藤拓也

【観劇】いつぞやは

いつぞやは

いつぞやは いつぞやは

作・演出: 加藤拓也
出演: 平原テツ、橋本淳、鈴木杏、夏帆、今井隆文、豊田エリー
アンサンブル: 麻田奈利、伊藤ナツキ、遠藤朋弥、大峡弥憂、菊地翔子、金原直史、小林睦実、高見駿、桃原隆之進、中野克馬、永山香月、廣田明代、福田桃子、松井壮大、矢部祥太
観劇日: 2023年8月29日(火) 18:30
上演時間: 1時間45分(休憩なし)
劇場: シアタートラム
チケット代: 9,000円(G列) [パンフレット代:500円]


【感想】

開幕1週間前に、窪田正孝さん降板のお知らせが。
5月末まで『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』だったので、お忙しくて無理がたたったのでしょうか。
何より、お怪我が早く快復されることをお祈りします。
代役は、平原テツさん。加藤拓也さんの舞台で何度も拝見していて、好きな役者さんです。
好きな役者さんですが、窪田正孝さんとは、かなりイメージが違います。歳も違います。
出演者変更に伴う払い戻しは、事前の注意書きや主催者の考えなどによって、必ずしもされるものではないと分かってはいますが、流石にこれは払い戻しレベルなんじゃないかと……。
いや、私は最初から平原テツさんでもチケットを買っていたと思いますが、窪田正孝さん目当てのお客さんもいるでしょうし。
主催者側もそれを目論んでいたと思いますし、何ならチケット代も窪田正孝さん価格になっていると思います。
だから1000円くらいキャッシュバックしてくれても、なんてケチなことを思ってしまいます。
そんなモヤモヤを若干抱えたまま劇場に行ったわけですが……。

劇団を主宰している脚本家の松坂(橋本淳さん)のもとに、以前仲間だった一戸(平原テツさん)がやってきます。
彼は、ステージ4の大腸がんであること、だから故郷の青森に帰ることにしたと告げます。
そして、自分の話を劇にしてくれないかと頼みますが……。

ステージは、無機質な壁に囲まれたガランとした空間。
開演すると、ぞろぞろと20名近くのアンサンブルが、壁に沿ったベンチシートのような場所に座ります。
すると、客席後方から橋本淳さんが、お客さんに飴を配りながら登場し、客席に向かって話し始めるというオープニングです。

加藤拓也さんと言えば、とてもギスギスした嫌〜な感じの会話劇が多いですが(私が観た作品がそういうのが多かっただけ?)、今回はそんな感じはなくて、とてもしんみりしたお話。
こういうのも書くんだ、とちょっと驚きです。
ここからは、ちょっとネタバレを含みますので、まだ観劇されてない方はご注意を。


-------- 以下、ネタバレ --------------------

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【観劇】綿子はもつれる

綿子はもつれる

綿子はもつれる

作・演出: 加藤拓也
出演: 安達祐実、平原テツ、鈴木勝大、田村健太郎、秋元龍太朗、天野はな、佐藤ケイ
観劇日: 2023年5月17日(水) 19:00 ※初日
上演時間: 100分(休憩なし)
劇場: 東京芸術劇場 シアターイースト
チケット代: 4,500円(前半割引:G列) [パンフレットなし]


【感想】

加藤拓也さんの舞台。
また嫌な気分になるんだろうなと分かっていながら、やはり気になって観にきてしまいました。

妻子ある男性(鈴木勝大さん)と不倫をしている綿子(安達祐実さん)は、男性が帰った後、ホテルの部屋から交通事故を目撃します。
家に帰っても、夫・悟(平原テツさん)との夫婦関係はほぼほぼ破綻しており、中学生になる夫の連れ子(田村健太郎さん)とは、いまだに距離がある状態で……。

今回も期待を裏切らず、何とも言えない嫌〜な気分にさせてもらいました 笑。

嫌な気分になる理由 その1
半分くらいがギスギスした夫婦間(安達祐実さんと平原テツさん)の会話。
悟は関係を修復しようとアレコレ話しかけますが、それが我々から観ても、とてもウザったい。
テンション低い時は、そっとしといてやれよと思っちゃいます。
それでいて、急に喧嘩を吹っかけるようなことを話し出したり、理屈で綿子を追い詰めようとしたり。
人の口論って、しかも噛み合わない口論って、ほんと嫌な気分になります。
まあ、それだけ安達祐実さんと平原テツさんの演技がリアルってことになるんでしょうが。
時折、会話がかぶってしまうのも、あれって演出通りなんだろうな。

嫌な気分になる理由 その2
シーンの繋ぎ目に入る耳障りなノイズ音。
ザリザリというノイズ音が、場面転換の時に流れます。
会話劇なので、耳をそばだてて集中している時に、大きめの音量で不意打ちされるので、毎回ビクッとさせられます
過去の作品でも大きなアラーム音を流したり、本物の軽トラを登場させて、思い切りクラクションを鳴らしたりといった演出がありましたが、加藤拓也さんって、音で驚かすのが好きなのかな。

嫌な気分になる理由 その3
エンディングの演出。
ネタバレになるので、ちょっと言えませんが。
これも加藤拓也さんが多用する手法の一つ。
オープニングでの事件が、ここで繋がってくるといった種明かし的な要素も含んでいました。
でも、この種明かしで、あの時の綿子の心情は……と思い返したりして。

そんな中、息子(田村健太郎さん)とその同級生(秋元龍太朗さん、天野はなさん)のシーンは、一息つける時間で。
息子は晩御飯も外で済ませてくるような生活で、親もそれに対して何も言わない、放任とか無干渉というより"無関心"のように扱われていますが、それでもグレてはいないんですよね。
親がいない時、友達を家にあげて、我々からすると他愛もない(どうでもいい)話で盛り上がったりします。
親の不仲もとうに気づいていて、なんか悟り切った感じ。
ただ、やはり中学生には見えなかったかな 笑。

天野はなさんは、かなり健闘していましたが。
天野はなさん、いいですよね。舞台ではちょくちょくお見かけしますが、地味だけど(すみません)不思議な魅力があって。
かと言って、出過ぎることもなくて、ちょうどいい存在感を醸し出しています。ちょっと黒木華さんに雰囲気が近いような。

さて、舞台は、この上ない後味の悪さで終わります。
これが加藤拓也さんの持ち味でもありますが、好き嫌いがハッキリ分かれるでしょうね。
教訓めいたメッセージも何もありませんでしたが(私が受け取れなかっただけかもしれませんが)、やっぱ次回作も観ちゃうんだろうな。

【観劇】ザ・ウェルキン

ザ・ウェルキン

ザ・ウェルキン

作: ルーシー・カークウッド
演出: 加藤拓也
翻訳: 徐賀世子
出演: 吉田羊、大原櫻子、長谷川稀世、梅沢昌代、那須佐代子、峯村リエ、明星真由美、那須凜、西尾まり、豊田エリー、土井ケイト、富山えり子、恒松祐里、土屋佑壱、田村健太郎、神津優花、段田安則(声)
観劇日: 2022年7月11日(月) 13:30
上演時間: 第1部(1時間5分) / 休憩(15分) / 第2部(1時間10分)
劇場: シアターコクーン
チケット代: S席 11,000円(XC列:最前列) [パンフレット代:1,000円]


【感想】

若手からベテランまで揃った贅沢なキャスト陣。
だから観応え十分なんですが、なんとも救いがないお話で……。

ハレー彗星が近づいている1759年。イギリスの田舎町。
サリー(大原櫻子さん)が、少女殺害の罪で絞首刑を言い渡されます。
しかし、彼女は現在妊娠中だと主張。
この時代、妊娠している女性は極刑を免れることができるため、その真偽を判定すべく、12人の女性が集められます。
なかなか妊娠の確証が得られず、皆がやりかけの家事のことなどが気になって早く帰りたいと思っている中、助産婦のエリザベス(吉田羊さん)だけは、サリーの身を案じますが……。

まず、妊娠中の女性は死刑を免れると聞いて、「出産した後も死刑にならないの?」とか「じゃあ出産したばかりの女性が罪を犯したらどうなるの?」とか疑問が湧きましたが、まあそれは置いといて劇に集中しました(妊娠中の女性が死刑を免れる背景については、パンフレットに載ってました)。

12人が集まって、侃侃諤諤・喧々囂々するあたりは、さながら『十二人の怒れる男』のようです。
『十二人の・・・』と違うのは、
  • 12人が女性であること。
  • 判決はすでに下されていて、12人が判断するのは、妊娠しているかどうかだけということ。ただし、妊娠していないと判断した場合は、死刑が待っている。
  • 被告が12人と一緒にいること。
  • 12人および被告のほとんどが顔馴染みであること。
でしょうか。
12人全員の意見が一致しないといけないというのは、『十二人の・・・』と同じです。

第一幕は、この論争劇が見ものとなります。
吉田羊さんは、映画でいえばヘンリー・フォンダ(陪審員8番)の役どころでしょうか。
凛としていて、正義感あふれる姿は、吉田羊さんにピッタリ。
鷲尾真知子さんの代役として出演されている長谷川稀世さんも、一人だけ高貴なご婦人(後に本当の正体がわかりますが)といった出立ちがしっくりきていて、こちらは陪審員4番的な立ち位置でしょうか(ヘンリー・フォンダの敵役?)。

このまま論争劇で終始するのかと思いきや、第二幕に、ある秘密が暴露され、一気に様相が変わってきます
最終的に男性の医者がやってきて、妊娠しているかどうか判断するんですが(じゃあ何で最初からそうしなかったの?とは思いますが)、もう一つの見せ場、最大の見せ場は、12人が退場してから訪れます。

このシーンの大原櫻子さんが凄かったですね。
前半は、不貞腐れたり、苛立ちを露わにしたりといった態度が多かったんですが、優しいお顔立ちなので、ちょっと似合わない感じも抱きつつ観ていました。
が、このクライマックスのシーンは、何とも胸が痛くなるような……。
詳しく書くとネタバレになってしまうので書けませんが、なんだろう、よく「社会が悪いから」みたいな言い方がありますが(個人的には、この言い訳は好きじゃないですが)、でも、時代や育った環境が違えば、こんなことにはならなかっただろうにと可哀想になってきます。

それは、女性であるが故の様々な"不利益"とでも言うんでしょうか。
望まない妊娠・出産の悲劇とでも言うんでしょうか(もしかしたら、ここらへんは、アメリカで議論になっている中絶禁止の是非についても問題提起しているのかな)。
もちろん、だからと言って、罪を犯していいとは言いませんが(劇中では被害者のことがあまり描かれないので、どうしてもサリーの方に感情移入してしまいます)。

建物の外からは絞首刑を望む群衆の声が聞こえてきます。
この時代、死刑執行は民衆の眼前で行われ、それが一種の見せ物的な娯楽?のように扱われていたんでしょう。
残酷だと思う一方、同じことが今ではSNS上で行われているんだと気付かされます。
そして、救いようのない結末が……。
表題の「ザ・ウェルキン(The Welkin)」って、「大空、天」という意味なんですね。
重いというより、やり切れなさが強く残る舞台でした。


演出は、「劇団た組」の加藤拓也さん。
新進気鋭と言っていいんでしょうか、まだ若いのに、よくこのキャスト陣をまとめ上げられたなと感心した次第です。
た組の舞台は、いくつか観たことがありますが、観客をビクッとさせる演出がチラホラ(エンディングで実際の車のクラクションを大音量で響かせたり)。
この舞台も、一幕の最後にビクッとさせられました 笑。

【観劇】もはやしずか

もはやしずか

もはやしずか

作・演出: 加藤拓也
出演: 橋本淳、黒木華、平原テツ、安達祐実、藤谷理子、天野はな、上田遥、松井周(声)
観劇日: 2022年4月5日(火) 14:00
上演時間: 2時間(休憩なし)
劇場: シアタートラム
チケット代: 7,000円(XC列:向正面) [パンフレット代:2,500円]


【感想】

加藤拓也さんの舞台は、とても嫌〜な気分にさせられる(そこがいい)ものが多いんですよね。
前回の『ぽに』はちょっとシュールすぎましたが……。
今回は元に戻って、とても現実的で、そしてとても嫌〜な気分にさせてもらいました(笑)。

康二(橋本淳さん)には、幼い頃、自閉症の弟を自分の不注意で事故死させてしまったというトラウマがあります。
現在は麻衣(黒木華さん)と結婚していますが、なかなか子供に恵まれず、麻衣は不妊治療を続けています。
そんな中、念願かなって妊娠しますが、ある日、出生前診断で1/2の確率で障がいのある子供が生まれてくる可能性があると告げられ……。

いやあ、とにかく台詞回しがめちゃくちゃリアル!
まるで台本などないかのような自然な会話をする演者さんたちの見事なこと!

冒頭、康二の両親(平原テツさん、安達祐実さん)が、自閉症の息子を保育園(幼稚園?)に預けるため、保育士(藤谷理子さん)と面談するシーンで始まりますが、なかなか会話が噛み合いません。
というか、保育士は、話をはぐらかそうとしているようにも見え、はっきりとしたことを言いません。
それなのに、時折、「もっと愛情を」とか「コントロールできるように」とか、側から聞いてても「ん?」と思うような発言をしたり。
そういう何気ない台詞が、「ああ、こんな人いるいる」って感じで。
そして、ここらへんから、もう嫌〜な空気が漂ってきます(暗転の時の耳障りな音効も含めて)。
この保育士さん、後半でも登場しますが、KY発言連発で……逆に、この人には本当に確固たる信念があって、それに至る壮絶な過去があったんじゃないかと思えるくらいでした。

それにも増して、夫婦で言い争う場面が、まためちゃくちゃリアルで!
自閉症の息子が言うことを聞かない時の平原テツさんと安達祐実さんの喧嘩。
障がいのある子が生まれてくる可能性を知った時の橋本淳さんと黒木華さんの会話。
どちらも男は理屈で、女は感情でモノを言ってるように聞こえます。
よく言われる「男はお腹を痛めて産んでないから」ってことでしょうか。
だから男はどこか他人事のように見え、女は逆に冷静さを欠いているようにも思えてしまいます。
安達祐実さん、黒木華さんは、感情が昂って泣き出しちゃうんですが、まあもうそれが……。
昨今の風潮で、男・女と決めつける発言はよくないのでしょうけど。
私はどうしても男性目線で見てしまいますので、女性陣が時折見せる”言葉尻を捉える攻撃”(何気なく言った「わかった」を「何がわかったの」と問い詰めたり)に、平原テツさん・橋本淳さん同様、「そうじゃないんだよな」とイラッとしてしまったり。
でも実際のところ、本人は何気なく放ったつもりの相槌には本心が表れていて、女性はそこを見逃さないんじゃないかと。
つまり、核心をつかれてるから、イラッとするんじゃないかと思ったりもします。

さて、この舞台のテーマは、障がいのある子(生まれてきた子、生まれてくる子)への対応とか出生前診断の是非なんでしょうか?
それにしては、掘り下げ方がかなり浅いようにも感じます。
出生前診断でどこまでわかるの?とか、障がいのある子を育てる”幸せ”の面とか、もっと色々あるんじゃないかと。

それとも単なる夫婦の価値観の違いを描きたかったんでしょうか?
それにしては、麻衣(黒木華さん)の行動にいささか疑問を感じるところがあります。
見も知らぬ他人に精子提供を求めたり(旦那には問題ないはず?)、生まれてきた子が障がいがなかったからといって復縁しようとしたり(しかも旦那の両親に先に相談しに行ったり)。

どんな結論を下したとしても、あまりいい結果になならないんだろうなと思わせるような、最後まで嫌〜な余韻(そこがいい)が残った舞台でした。

【観劇】ぽに

ぽに

作・演出: 加藤拓也
出演: 松本穂香、藤原季節、平原テツ、津村知与支、豊田エリー、金子岳憲、秋元龍太朗、安川まり
観劇日: 2021年10月31日(日) 14:00
上演時間: 2時間(休憩なし)
劇場: KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
チケット代: 4,500円[前半割引](A7列) [パンフレットなし]


【感想】

松本穂香さんのことは、テレビでよく拝見してましたが、普通に「いい女優さんだな」くらいにしか思っていませんでした。
なので、ドラマや映画なんかも、彼女目当てに観ようと思ったことはなかったんですが、ある日、WOWOWで放送された『いきなり本読み』(岩井秀人さん主催。俳優さんたちに、その場で初見の台本を渡し、いきなり本読みをしてもらうという企画)に出演されているのを観てビックリ!
めちゃくちゃ上手い!
瞬時に役を掴む反射神経や感情表現の豊かさ、的確さ、対応力に衝撃を受けました。
で、彼女目当てに、この舞台を観にきたわけです。

円佳(松本穂香さん)は、シッターのバイトをしながら、何となく海外留学を夢見る女性。
好きな男性・誠也(藤原季節さん)と体の関係はあるものの、将来については煮え切らない状態が続いています。
ある日、バイト先の家で、大きな地震に遭遇しますが、面倒をみていた5歳の男の子・れん(平原テツさん)のワガママに付き合いきれなくなった円佳は、れんを置き去りにしてしまいます。
しかし、翌朝、彼はおじさんの姿(ぽに)になって訪ねてきて……。

加藤拓也さんの現実離れした設定は、これまでにもいくつか観てきましたが、今回はかなりシュールで……(^^;)。
ちなみに、「ぽに」のアクセントって、私は「(崖の上の)ぽにょ」と同じだと思っていたんですが、「おに(鬼)」の方でした(そう言えば、鬼ごっこから着想を得たという記事を思い出しました)。

あらすじも、事前にホームページなどで把握していたので、最初に平原テツさんが登場した時も「ああ今は子供ね」と認識することができましたが、この舞台のテーマが、「仕事とお金の責任の範囲」ということは、観劇後に知りました。
なるほど、責任を押し付けあって、押し付けられた方が「鬼(ぽに)」になるっていうことか、確かに鬼ごっこに似ていると理解はしたものの……ん?じゃあ「ぽに」になるのは円佳では?
いや、円佳がワガママを言うれんに「もう知らない」と責任を押し付けたかられんが「ぽに」になったの?
でも、それは押し付けたというより、自分の責任を放棄したと言った方が近いんじゃ?
しかも「ぽに」になったれんは、子供のれんとは別の存在みたいだし、お祓いをしてもらうのはれんじゃなくて円佳の方だし、だとしたられんが「ぽに」になるというよりは、円佳に「ぽに」が憑いたということ?
それに、お祓いすると、失明してしまうのは何故?
コンビニの店員も、以前、お祓いしてもらったということ?(その経験があるから、今は責任を持って店を守っているということ?)
うーん、いまいち「ぽに」のメカニズムが分かりません

舞台上の世界では、「ぽに」が一般的に認識されているらしく、「ぽに」となったれんが現れても驚かず、当たり前のように対応していくので、ちょっとついていけなかったというか(^^;)。
その「ぽに」が登場するのも、後半に入ってから。
それまでは、円佳を中心とした日常がダラダラと続きます(言い方は悪いですが、何の目標も持たずに生きている円佳の生活を表現しているのかと思いますが)。
そういう意味では、前半はかなりテンポが悪いという印象を受けました。

でも、そのダラダラとした場面が続いても観られちゃうのは、やはり松本穂香さんの上手さでしょうね。
本当に「円佳」という女性の内面まで分かるナチュラルな演技でした。
藤原季節さんのクズっぷりも良かったです(褒めてます)。
円佳に触れる時には、おもちゃの(ぬいぐるみのような)手を使うんですが、あれは彼女に対する精神的な距離を演出してたんでしょうね。

舞台セットは、デパートなんかにある子供の遊び場を模したもので、それを客席が四方から取り囲んでいます。
ぽに
「責任のなすりつけ合い」=「鬼ごっこ」=「子供の遊び」みたいな構図を表しているんでしょうか。
残念なのは、子供の遊び同様、話の方も、最後は散らかしっぱなしで終わったという感じが否めないこと。

でも、松本穂香さんが出演する舞台は、これからもチェックしていきたいと思えたのは収穫でした。


※ 緊急事態宣言が解かれてから約1ヶ月。
思えば、東京都以外での観劇(いや、東京から出ること自体)は、約1年8ヶ月ぶり。
前回、東京以外で観たのが、奇しくも「劇団た組」の『誰にも知られず死ぬ朝』(彩の国さいたま芸術劇場)でした。
KAATに来るのは、2019年12月の『常陸坊海尊』以来。
このまま収束していってほしい。
写真AC
趣味で撮影した写真を
「写真AC」

に掲載しています。
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私の作品は、
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※ 資料用としてアップしたものも多いので、「何じゃこりゃ」って写真も多々ありますが。
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