やっぱし舞台が好き!

芝居、ミュージカル、バレエ、ダンス、クラシック、コンサートなどの舞台観賞が大好きです。 観劇の個人的な感想をつらつらと書いてます。 たまに、ちょっとした体験談や気になったことも・・・。

宮沢りえ

【観劇】骨と軽蔑(KERA CROSS第五弾)

骨と軽蔑(KERA CROSS第五弾)

骨と軽蔑(KERA CROSS第五弾)

作・演出: ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演: 宮沢りえ、鈴木杏、犬山イヌコ、堀内敬子、水川あさみ、峯村リエ、小池栄子
観劇日: 2024年2月28日(水) 12:30
上演時間: 第1部(95分) / 休憩(20分) / 第2部(65分)
劇場: シアタークリエ
チケット代: 12,500円(16列) [パンフレット代:2,000円]


【感想】

よくぞこれだけ豪華な女優さんたちを集められたもんです。
個人的には、ここに緒川たまきさんも加わって欲しかった 笑。

何十年か前のとある国。
この国では、西と東に分かれた内戦が長いこと続いています。
若い男性の多くが戦死してしまった(?)ため、今では女性や子供までが戦地に送り出されている状況です。
軍事産業で財をなした西側の邸宅には、作家のマーゴ(宮沢りえさん)、妹・ドミー(鈴木杏さん)、母・グルカ(峯村リエさん)、使用人・ネネ(犬山イヌコさん)、病気で寝たきりの父親、そして付きっきりで看病している秘書のソフィー(水川あさみさん)が暮らしています。
マーゴには夫がいましたが、半年ほど前に出て行ったきりで消息不明。
時折、手紙が届きますが、ドミーが読んでマーゴには隠しています。
そんなある日、マーゴの熱烈なファンのナッツ(小池栄子さん)がやってきて……。

セットは、彼女たちが暮らしている邸宅です。
シーンによって(セットチェンジせずに)リビングになったり中庭になったりする、ケラさんの舞台では時々見かける例のやつです。
この構造を逆手にとって、庭にいるていのネネにグルカが室内から話しかけて笑わせたりするシーンも。

プロジェクションマッピングは今回も見事でしたが、オープニングのキャスティング紹介はありませんでした。ちょっと楽しみにしていたんですが。

ここから先はネタバレになりますのでご注意を。


-------- 以下、ネタバレ --------------------

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【観劇】アンナ・カレーニナ

アンナ・カレーニナ

原作: レフ・トルストイ
上演台本・演出: フィリップ・ブリーン
翻訳: 木内宏昌
出演: 宮沢りえ、浅香航大、渡邊圭祐、土居志央梨、西尾まり、菅原永二、深見由真、金子岳憲、井上夏葉、高間智子、片岡正二郎、真那胡敬二、大空ゆうひ、梅沢昌代、梶原善、小日向文世、石田莉子、大廣アンナ、麗
ミュージシャン: 秦コータロー(Acc.)、河原真(Cb.)、会田桃子(Vn.)
観劇日: 2023年3月19日(日) 13:00 ※東京千穐楽
上演時間: 第1部(1時間40分) / 休憩(20分) / 第2部(1時間45分)
劇場: シアターコクーン
チケット代: S席 11,000円(Q列) [パンフレット代:1,800円]


【感想】

ロシア文学って、登場人物が多くて、人の名前が(日本人の私にとっては)ややこしくて、時代背景なんかもよくわからないし……だから観るのに気合が必要です 苦笑。
しかも長い!上演時間が、休憩20分入れて3時間45分!
でも、ホワイエに売られていた文庫本を見ると、一冊がそこそこの厚さで、それが上・中・下という三部作だったので、これでもかなりの部分は描ききれていないんだろうな。

19世紀のロシア。
モスクワを訪れたアンナ・カレーニナ(宮沢りえさん)は、青年将校ヴロンスキー伯爵(渡邊圭祐)と出会い、二人は惹かれ合います。
政府高官の夫・カレーニン(小日向文世)は、そのことを知りながらも、体面を保つために、取り繕おうとしますが……。

主人公はもちろんアンナ・カレーニナですが、物語は三組のカップルを軸に進んでいきます。
一組目はアンナの兄夫婦オブロンスキー(梶原善さん)とドリー(大空ゆうひさん)。
オブロンスキーの浮気が原因で、ドリーとの夫婦仲に亀裂が入ります。
二組目は、ドリーの妹キティ(土居志央梨さん)とリョーヴィン(浅香航大さん)。
キティは最初、ヴロンスキー伯爵(渡邊圭祐)に夢中でしたが、ヴロンスキーがアンナを選んだため、リョーヴィンの愛に気づいて結ばれます。
そして、アンナとヴロンスキー。

これらのカップルは三組三様で、唯一、幸せな愛に辿り着いたのがキティとリョーヴィン。
リョーヴィン役の浅香航大さん、良かったですね。
私にとっての浅香航大さんは、ドラマ『宮本から君へ』の益戸って役(とても嫌な奴)の印象が強烈に残っていたんですが、それが払拭されましたね。
とても繊細で、好感の持てるリョービンを演じてらっしゃいました。

そして、彼らとは逆に破滅していくのが、主人公のアンナ・カレーニナ。
いやあ、何か久しぶりに"The 女優・宮沢りえ"っていう貫禄の演技と出立ちを観た気がします。
タイトルに反して、意外と出演シーンが少ないのが残念なくらい。
彼女の存在感が圧倒的過ぎて、相手役・ヴロンスキー伯爵とのバランスがちょっと不均衡だったかな。
「あのアンナが夢中になる」くらいの説得力が欲しかったけど、なかなか難しいですよね。

演出は、フィリップ・ブリーン氏。
罪と罰』や『欲望という名の電車』もやってたんですね。
登場人物も多くて、私は話を追っていくだけでも大変だったので、できれば演出はシンプルにして欲しかったんですが、ところどころ抽象的な場面もあって……。
一番よくわからなかったのは、長テーブルの上をシースルーの衣装を着た女性が、ランウェイのように歩いていくシーン。
あれは何だったんだろう。

不得意なロシア文学を不得意な抽象的演出で、しかも長時間の観劇で、席も後方でしたが、思いのほかよく理解できたし、時間もとても短く感じられました。
つまりは、とても"上質な舞台"でした。

【観劇】泥人魚

泥人魚

作: 唐十郎
演出: 金守珍
出演: 宮沢りえ、磯村勇斗、愛希れいか、風間杜夫、岡田義徳、大鶴美仁音、渡会久美子、広島光、島本和人、八代定治、宮原奨伍、板倉武志、奈良原大泰、キンタカオ、趙博、石井愃一、金守珍、六平直政
観劇日: 2021年12月7日(火) 13:30
上演時間: 第1部(50分) / 休憩(10分) / 第2部(1時間10分)
劇場: シアターコクーン
チケット代: S席 11,000円(P列) [パンフレット代:1,800円]


【感想】

困った。感想が書けません(^^;)。
唐十郎作品は、これまでにもいくつか観たことがありましたが、いつにも増して難解で……。

事前に、ホームページなどを見て、諫早湾の干拓事業(ギロチン堤防)がテーマだとは分かっていながら。
いや、仮に知らなくても、オープニングで、宮沢りえさんと磯村勇斗さんが潟スキーで登場し、その背後でギロチン堤防が閉まっていく光景を、かなりリアルに表現していたので、すぐに気づいたかと思います。

問題は、そこから繰り広げられる物語。
あらすじは省略します(気になる方は、ネットで調べてください)。ちょっと自力ではまとめられません。

舞台上で何が行われているかというのは理解できます。
でも何だろう、登場人物の心情とか、その人(もしくはモノ)が出てくる必然性とか、何を表しているのかとか、つまりは作者の意図を私は掴みきれませんでした。
その分からなさも含めて、アングラ演劇の面白さなんでしょうが。

私の席がかなり後方だったことも、イマイチ面白さが理解できなかった原因かもしれません。
唐さんのお芝居を観る時、今までは小劇場(中にはテント小屋もありました)か、コクーンなどでも幸運なことに前方の席が多かったため、アングラ特有の迫力や熱量が分からなさを上回っていました。
今回は、その熱量を受け取れなかった感じがします。

これって、アングラ劇を商業演劇の施設で演ったからなんでしょうか(違うか)。

【観劇】死と乙女

死と乙女

死と乙女

作: アリエル・ドーフマン
翻訳: 浦辺千鶴
演出: 小川絵梨子
出演: 宮沢りえ、堤真一、段田安則
観劇日: 2019年10月2日(水) 19:00
上演時間: 95分(休憩なし)
劇場: シアタートラム
チケット代: 8,000円(B列:最前列) [パンフレット代:800円]


【感想】

ずっしりと重く、緊迫感が濃密に充満した95分間の三人芝居でした。

長年、独裁政権に苦しめられ、ようやく民主化されたばかりのある国の話。
弁護士・ジェラルド(堤真一さん)は、旧政権下での弾圧や人権侵害を調査する査問委員会のメンバーに任命された晩の帰宅途中に車が故障し、たまたま通りがかった医師・ロベルト(段田安則さん)に助けてもらいます。
家まで送ってくれたロベルトに対し、ジェラルドの妻・ポーリーナ(宮沢りえさん)は、昔、自分を拷問・陵辱したのはこの男に違いないと確信し……。

ロベルトは、本当にその犯人なのか?というサスペンスとして観ることもできますが、「復讐と許し」について深く考えさせられる舞台でもありました。

事前にあらすじや舞台に関する情報を仕入れていたので、この話が、チリのピノチェト独裁政権のことだとは理解していました。
でも、芝居の中では、チリやピノチェトといった名前が一切出てこなくて、場所や年代は特に言われていません。
つまり、どの国、どの時代にも当てはまる(起こりうる)出来事ということでしょう。

とにかく、宮沢りえさんの鬼気迫る様子が本当に恐ろしくて
精神的に不安定な中、拳銃を持ち歩くもんだから、たまたま銃口がこっちの方に向けられると、自分が撃たれるんじゃないかとビクビクしてました。

夫・ジェラルドとの関係性も微妙な感じです(冒頭のスペアタイヤに関する言い争いからも醸し出してます)。
それ故に、冷静に法で解決しようとするジェラルドの態度が、本当に正義感からくるものなのか、どこか愛情が冷めてしまったからなのか、どっちとも取れる感じがあります。
その二人の温度差も、より緊張感を増す要素になっています。

一方、ロベルトに向けられる疑惑……もしこれが人違いなら、冤罪に仕立て上げられる恐ろしさという問題もはらんでいます。
「白状しないなら殺す」「白状するまで放さない」というポーリーナの言葉は、かつて自分がされたこととはいえ、魔女裁判や赤狩りを彷彿させて恐ろしくなります。

どうすれば復讐できるのか?どうすれば(許すことはできなくても)自分の気がすむのか?
ニュースなんかで、痛ましい事件があったりすると、いつも同じようなことを考えてしまいます。

復讐しても元には戻らないとか、恨みを持ち続ける方が不幸だとか、そんなことは分かってますが、それではやっぱし気持ちが収まりません。

ポーリーナは、どうやって自分の心に折り合いをつけたのか?……シューベルトの『死と乙女』がかかる中、その心中を推し量るのが難しい、とても印象的なラストシーンでした。


※ それにしても、宗教による対立にも酷いものがありますが、「資本主義 vs 共産主義」のような政治的な対立もいい加減にしてほしいもんです。
もちろん「弾圧に反対して民衆が立ち上がる」みたいなことはいいことだと思いますが、西とか東とか、右とか左とかになってくると、某大国の影が後ろにあって、本当に自由を勝ち取る戦いなの?と思ってしまいます。
国どうしの思惑に、そこに暮らしている人々が踊らされ、憎しみ、傷つけあうという構図はウンザリです。

【観劇】スジナシ BLITZシアター Vol.8(ゲスト:宮沢りえ)

出演: 笑福亭鶴瓶、宮沢りえ、中井美穂(案内人)
観劇日: 2018年9月11日(火) 19:00
上演時間: 約2時間20分(休憩なし)
劇場: 赤坂BLITZ
チケット代: 5,500円(2階立見) [パンフレットなし]


【感想】

2階立ち見席までギュウギュウの満員。
宮沢りえさん、舞台では何度も拝見してますが、即興芝居はお初です。

でも、りえさんとしては、かなり不完全燃焼だったみたいで……。

設定は、古びた小さな映画館。
鶴瓶師匠が板付きで、りえさんは客席からの登場です。
どうやら、師匠はこの映画館の常連さんで、りえさんは初めて来るお客さんのようです。
映画館には職員がおらず、いつになったら上映が開始されるのか、二人とも困惑しています。
話していくうちに、りえさんは、有名女優の娘で、自身も売れない女優(『妻はゾンビ』で一度だけ主演)をしているらしく……。

りえさんは、始まる前、かなり緊張していると言ってましたが、やはり場数を踏んでいるだけあって、舞台度胸が違います
何というか、アドリブなのに、わちゃわちゃ感が一切ありません
役者さんによっては、何かしようと焦って、やたらと動き廻る人もいますが、りえさんは、ゆったりと構えて、大女優の貫禄を感じました。

でも、やはり山場みたいなものが必要だろうと思ったのでしょうか、いろいろ仕掛け始めたところで、中井美穂さんから「はい、終了でーす」の声が。
時間にして28分。
りえさん「これからだったのにー」と悔しがっていました。

確かに中途半端な感じがしなくもないですが(オチがないので)、まあこれはこれでアリかなとも思いました。

プレビューでは自身でダメ出しをされてましたが、考えてみれば、これってかなり貴重なこと。
爪痕が残したりないと感じたのでしょうか、最後に、岸田今日子さんがヤギになったモノマネまで披露してくれました(劇中で、師匠が岸恵子と言ったのを、りえさんが岸田今日子と勘違いしたことから)。

タイトルは『踊るゾンビ』になりました。
写真AC
趣味で撮影した写真を
「写真AC」

に掲載しています。
無料でダウンロードできますので、よかったら覗いてみてください。

私の作品は、
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※ 資料用としてアップしたものも多いので、「何じゃこりゃ」って写真も多々ありますが。
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