脚本・演出: 山田佳奈
出演: さとうほなみ、瀬戸さおり、山中聡、岩男海史、柿丸美智恵、吉見一豊
観劇日: 2023年11月12日(日) 13:00
上演時間: 2時間5分(休憩なし)
劇場: シアタートラム
チケット代: 7,000円(D列) [パンフレット代:2,000円]
【感想】
□字ックの舞台は、第十三回本公演の『掬う』(佐津川愛美さん主演)を観たことがあります。
日常のちょっと嫌な部分をさらけ出す構成は、私は嫌いじゃないので、また観てみたいと思っていました。
父(吉見一豊さん)が営んでいる山間の剥製工房。
そこに、離婚して、旦那と親権を争っている菜月(さとうほなみさん)が一人で帰ってきます。
親権を獲得するために、何とか正社員になりたいとハローワークに通いますが、なかなか条件の良い仕事が見つからない毎日。
ある日、剥製師になりたいという男(山中聡さん)がやってきて、住み込みで働き始めますが……。
登場人物は、他に、菜月の妹の栞(瀬戸さおりさん)と父が引き取って一緒に暮らしている従兄弟の章平(岩男海史さん)、それと近所の猫屋敷のおばさん(柿丸美智恵さん)の計6人。
章平はどうやらADHD的な問題を抱えているようで始終せわしなく、父親(昔の事故で片足を引きずっている)は怒鳴っているし、ハローワークから帰ってきた菜月も不機嫌な様子。
冒頭から嫌な感じが満載です。
それぞれが自分のイライラをぶつけてくるから、観ているこちらもイライラしてきます。
こういう場面って、側からだと滑稽にも見えるので、ちょっと笑える部分を盛り込んだりすることもありますが、この舞台は、そういうのが全然なくて、ただただ不愉快な思いにさせられます(それが狙いだとしたら大成功です)。
特に、さとうほなみさんの不機嫌さが、本当に不愉快 笑(これ褒めてます)。
妹の栞は、父親には従順ですが、菜月に対しては、途中で不満が爆発します。
それが、良くある「お姉ちゃんは一人だけ好きなことしていいよね。私はずっとここで我慢して暮らしてきた」みたいなこと。
わかるけど、それなら自分も出てけばいいじゃんと思ってしまい、私は結局、誰にも感情移入できませんでした。
話の展開的にも「ん?」と思うことが多くて。
これを語るには、ネタバレになってしまうので、まだ観てない方はご注意を。
-------- 以下、ネタバレ --------------------