作・演出: 赤堀雅秋
出演: 大森南朋、門脇麦、田中哲司、荒川良々、あめくみちこ、清水優、新井郁、赤堀雅秋
観劇日: 2022年4月26日(火) 13:00
上演時間: 1時間55分(休憩なし)
劇場: 本多劇場
チケット代: 7,800円(I列) [パンフレット代:1,500円]
【感想】
不良中年(赤堀雅秋さん、田中哲司さん、大森南朋さん)が集まって、コンプライアンスなんか無視してクズ男たちを描き切った舞台です。← 賞賛してます(笑)。
ある田舎でリサイクルショップを経営している手島(大森南朋さん)は、従業員の出口(荒川良々さん)と木村(清水優さん)、そして店に出入りする自称・映画プロデューサーのマルセル(田中哲司さん)らとつるんでキャバクラに行ったり、馬鹿話をする毎日です。
ある日、父親の遺品を整理したいとの依頼を受け、節子(あめくみちこさん)の家を訪れますが……。
登場する男どもが、揃いも揃ってクズで下品な野郎ばかり。
特に東京五輪でコンドームが配布されるというニュースについて話すくだりは、その国の人たちが聞いてたら気を悪くするだろうって内容です。
タバコをふかすシーンも多くて。
赤堀さんの舞台は、もとから喫煙シーンが多かったですが、今回はひっきりなしに誰かが吸ってる感じです。
結構、後方まで煙の匂いがしてたんじゃないかな。
何だか、テレビやSNSで憚れることをブワッと吐き出してやったぜって言ってるみたいです。
だから、もしかしたら、こういうのが嫌いという人も少なからずいるかもしれません(私は好きというわけではないですが、アリだとは思ってます)。
そんなクズたちの筆頭が出口(荒川良々さん)。
舞台で観てる分には笑えますが、実際にいたら、かなり危ない奴で一番怖い。
こういう危な面白い役を演らせたら、荒川良々さんはピカイチですよね(単純に面白い役もいいですが)。
それに惹かれちゃう節子(あめくみちこさん)の気持ちは、残念ながら、私にはわかりませんけど(笑)。
大森南朋さんも、『ちむどんどん』や『私の家政夫ナギサさん』の穏やかキャラは封印して、ちょいワルおやじ(とは言っても全然お洒落じゃないですが、個人的にはこっちの方がしっくりきます)を演じています。
やる気がなくて、気だるい雰囲気は、彼がどんな生き方をしてきたのかが透けて見えてくるようです。
いつもは一番の危険人物を演りそうな田中哲司さんが、怪しげではあるけれど、一番マトモだったかも。
それは、タバコはやめたと言って、劇中、一回も吸わなかったからかな?
門脇麦さんは、フィリピン人(母親)とのハーフのキャバ嬢として登場します。
DVの父親とか無戸籍とか、大変な事情を背負っている故の”諦めに対する閾値の低さ”みたいなのが滲み出ていて、そのへんは流石だなと思って観てました。
でも、いつかはパスポートを取得して(戸籍がないから闇で?)、母親の故郷へ行く夢を持っていて。