やっぱし舞台が好き!

芝居、ミュージカル、バレエ、ダンス、クラシック、コンサートなどの舞台観賞が大好きです。 観劇の個人的な感想をつらつらと書いてます。 たまに、ちょっとした体験談や気になったことも・・・。

黒木華

【観劇】もはやしずか

もはやしずか

もはやしずか

作・演出: 加藤拓也
出演: 橋本淳、黒木華、平原テツ、安達祐実、藤谷理子、天野はな、上田遥、松井周(声)
観劇日: 2022年4月5日(火) 14:00
上演時間: 2時間(休憩なし)
劇場: シアタートラム
チケット代: 7,000円(XC列:向正面) [パンフレット代:2,500円]


【感想】

加藤拓也さんの舞台は、とても嫌〜な気分にさせられる(そこがいい)ものが多いんですよね。
前回の『ぽに』はちょっとシュールすぎましたが……。
今回は元に戻って、とても現実的で、そしてとても嫌〜な気分にさせてもらいました(笑)。

康二(橋本淳さん)には、幼い頃、自閉症の弟を自分の不注意で事故死させてしまったというトラウマがあります。
現在は麻衣(黒木華さん)と結婚していますが、なかなか子供に恵まれず、麻衣は不妊治療を続けています。
そんな中、念願かなって妊娠しますが、ある日、出生前診断で1/2の確率で障がいのある子供が生まれてくる可能性があると告げられ……。

いやあ、とにかく台詞回しがめちゃくちゃリアル!
まるで台本などないかのような自然な会話をする演者さんたちの見事なこと!

冒頭、康二の両親(平原テツさん、安達祐実さん)が、自閉症の息子を保育園(幼稚園?)に預けるため、保育士(藤谷理子さん)と面談するシーンで始まりますが、なかなか会話が噛み合いません。
というか、保育士は、話をはぐらかそうとしているようにも見え、はっきりとしたことを言いません。
それなのに、時折、「もっと愛情を」とか「コントロールできるように」とか、側から聞いてても「ん?」と思うような発言をしたり。
そういう何気ない台詞が、「ああ、こんな人いるいる」って感じで。
そして、ここらへんから、もう嫌〜な空気が漂ってきます(暗転の時の耳障りな音効も含めて)。
この保育士さん、後半でも登場しますが、KY発言連発で……逆に、この人には本当に確固たる信念があって、それに至る壮絶な過去があったんじゃないかと思えるくらいでした。

それにも増して、夫婦で言い争う場面が、まためちゃくちゃリアルで!
自閉症の息子が言うことを聞かない時の平原テツさんと安達祐実さんの喧嘩。
障がいのある子が生まれてくる可能性を知った時の橋本淳さんと黒木華さんの会話。
どちらも男は理屈で、女は感情でモノを言ってるように聞こえます。
よく言われる「男はお腹を痛めて産んでないから」ってことでしょうか。
だから男はどこか他人事のように見え、女は逆に冷静さを欠いているようにも思えてしまいます。
安達祐実さん、黒木華さんは、感情が昂って泣き出しちゃうんですが、まあもうそれが……。
昨今の風潮で、男・女と決めつける発言はよくないのでしょうけど。
私はどうしても男性目線で見てしまいますので、女性陣が時折見せる”言葉尻を捉える攻撃”(何気なく言った「わかった」を「何がわかったの」と問い詰めたり)に、平原テツさん・橋本淳さん同様、「そうじゃないんだよな」とイラッとしてしまったり。
でも実際のところ、本人は何気なく放ったつもりの相槌には本心が表れていて、女性はそこを見逃さないんじゃないかと。
つまり、核心をつかれてるから、イラッとするんじゃないかと思ったりもします。

さて、この舞台のテーマは、障がいのある子(生まれてきた子、生まれてくる子)への対応とか出生前診断の是非なんでしょうか?
それにしては、掘り下げ方がかなり浅いようにも感じます。
出生前診断でどこまでわかるの?とか、障がいのある子を育てる”幸せ”の面とか、もっと色々あるんじゃないかと。

それとも単なる夫婦の価値観の違いを描きたかったんでしょうか?
それにしては、麻衣(黒木華さん)の行動にいささか疑問を感じるところがあります。
見も知らぬ他人に精子提供を求めたり(旦那には問題ないはず?)、生まれてきた子が障がいがなかったからといって復縁しようとしたり(しかも旦那の両親に先に相談しに行ったり)。

どんな結論を下したとしても、あまりいい結果になならないんだろうなと思わせるような、最後まで嫌〜な余韻(そこがいい)が残った舞台でした。

【観劇】ハムレット

ハムレット

ハムレット

作: ウィリアム・シェイクスピア
翻訳: 河合祥一郎
演出: サイモン・ゴドウィン
出演: 岡田将生、黒木華、青柳翔、村上虹郎、福井貴一、山崎一、松雪泰子、玉置孝匡、町田マリー、秋本奈緒美、竪山隼太、冨岡弘、薄平広樹、内田靖子、永島敬三、穴田有里、遠山悠介、渡辺隼斗
観劇日: 2019年5月21日(火) 18:30
上演時間: 第1部(1時間30分) / 休憩(15分) / 第2部(1時間5分)
劇場: シアターコクーン
チケット代: S席 10,500円(N列) [パンフレット代:1,800円]


【感想】

これまでに、いくつかの『ハムレット』を観てきましたが、原作(戯曲)を読んだことがないので、どれくらい原作に忠実なのかは毎回分かっていません(笑)。
でも、今回の『ハムレット』は、とても取っ付きやすかったように思います。

衣装が近代的だったり、ときどき笑える場面があったりということもあるでしょうが、やはり岡田将生さんの若々しくて威勢のいいハムレットが、全体をあまり重々しくさせなかったからかもしれません(決して軽いということではなく)。
回転舞台を使った場面転換もスピーディでしたし、オープニングの音楽もドラマチックなメロディで、ちょっと現代劇っぽい感じもしました。

それでも二幕に入ると、悲劇のオンパレードで、さすがに序盤のような笑いどころはなくなりましたが、テンポはそのまま、最後まで駆け抜けてくれました。
休憩15分入れても3時間を切る『ハムレット』も珍しいのでは?

キャスト陣もかなり豪華で、その使い方がこれまた贅沢です。
オフィーリアの黒木華さん、ガートルードの松雪泰子さんは、それほど多くの出番があるわけでもないのに、出演シーンになると圧倒的な演技と存在感を放っており、強烈に印象に残りました。
特に黒木華さんの狂気の凄まじさ……さすがです。

村上虹郎さんに至っては、二幕の2シーンのみ。
演出によっては登場しないこともあるらしいノルウェー王子・フォーティンプラス役。
でも、そんな役だからこそ、村上虹郎さんが演ることによって、物語を大きく締めることができたんじゃないかと思いました。

【観劇】ワーニャ伯父さん

ワーニャ伯父さん

作: アントン・チェーホフ
上演台本・演出: ケラリーノ・サンドロビッチ
出演: 段田安則、宮沢りえ、黒木華、山崎一、横田栄司、水野あや、遠山俊也、立石凉子、小野武彦
ギター演奏: 伏見蛍
観劇日: 2017年8月27日(日) 13:30 ※初日
上演時間: 第1部(1時間6分) / 休憩(15分) / 第2部(1時間6分)
劇場: 新国立劇場 小劇場
チケット代: S席 8,500円(A2列) [パンフレット代:700円]


【感想 (あくまでも個人的なものです)】

チェーホフの四大戯曲のうち、『桜の園』『かもめ』『三人姉妹』は観たことがありました。
これまでの経験で、舞台設定などを知らないと、なかなか話に入っていけないと思い、事前にちょっとだけ予習をしていきました。

大学教授のセレブリャーコフ(山崎一さん)が、退職後、死別した先妻の田舎に、後妻のエレーナ(宮沢りえさん)と移住してきます。
その家には、先妻との子・ソーニャ(黒木華さん)や先妻の兄・ワーニャ(段田安則さん)の他、先妻の母親、乳母、下男などが暮らしており、隣の地主や医師・アーストロフ(横田栄司さん)が出入りしています。

この登場人物をおさえておくだけでも、随分と話が見えやすくなってきます。
なるほど、「ワーニャ伯父さん」というのは、ソーニャ目線のことなのだと理解しました。

タイトルからすると、ワーニャ伯父さん中心に話が進むのかと思いきや、前半は、アーストロフやエレーナ、ソーニャあたりの場面が多いです。

アーストロフ役の横田栄司さんが、その風貌と相まって、存在感が抜群です。

ソーニャ(黒木華さん)がエレーナ(宮沢りえさん)に、アーストロフのことが好きだと相談するシーンも、さすが演技派女優のお二人だけあって、見応え十分です。

段田安則さん(ワーニャ役)は、後半、セレブリャーコフに不満をぶちまけるシーンで本領発揮です。

退職後も現役時代の名声に固執したり、都会で暮らしていた人が田舎で暮らす難しさだったり、尊敬していた人と一緒に暮らしてみると幻滅してしまったりと、100年以上も前に、しかもロシアで書かれた話とは思えないほどリアルです。

最後の方のセリフで「100年後の人たちは、きっと私たちのことを蔑むだろう。100年後の人たちは、幸せになる術を知っているだろうから」のようなことを言っていましたが、なかなか強烈な皮肉だと感じました。

最近、ちょっとずつチェーホフの面白さが分かってきたような気がします。



※昨年から、私の観劇記録は「レビューぴあ」にも投稿しています。よければ、合わせてご覧ください。
https://r.pia.jp/review/pia/list/reviewr/20832/insert_date/1

【観劇】スジナシBLITZシアターVol.5(ゲスト:黒木華)

出演: 笑福亭鶴瓶、黒木華、中井美穂(案内人)
観劇日: 2017年2月27日(月) 19:00
劇場: 赤坂BLITZ
チケット代: 5,500円(2階立見席)


【感想 (あくまでも個人的なものです)】

今回のスジナシは、3夜のうち、何とか黒木華さんの回だけ取れました。後の2夜はチケット争奪戦に敗れてしまいました。

今夜の舞台設定はスナック、師匠が板付きでスタート。
どんなドラマが始まるのか……と思いきや、いきなり師匠が女装しています。

ハチャメチャな(コメディ的な)展開になるのかと予感しましたが、黒木華さんの登場でガラリと雰囲気が変わります。
師匠(役としては、近所でおかまバーを経営している、本当はノンケのママ)に対してタメ口でやり取りし、師匠を手のひらで転がすように扱う小悪魔ぶり(黒木さんの役は、舞台となっているスナックのママ)。
師匠は黒木さんのことを想っているが、「歳の差もあるし……」となかなか踏み出せません。それを黒木さんが仕掛けてみたり、すかしてみたり……。

黒木さんは、テレビで見ると「清楚、真面目、元気」といった印象を持っていましたが、何だかとても色っぽく、26歳とは思えない落ち着きでした。
最後の最後まで、師匠が翻弄されっぱなしで、芝居的にも、スジナシの中では名作に入る会ではなかったかと思います。

黒木華さんは、どんな役でもさらりとこなす本格派の女優さんだと、改めて感じました。

※ 以前から思っていたのですが……本番後にみんなで「プレビュー」を見ますが、本番前(本公演など)に行うのがプレビューで(プレだから)、本番後に改めて見るのは「レビュー」なのでは?




※昨年から、私の観劇記録は「レビューぴあ」にも投稿しています。よければ、合わせてご覧ください。
https://r.pia.jp/review/pia/list/reviewr/20832/insert_date/1

【観劇】お勢登場

stage20170222

作・演出: 倉持裕
出演: 黒木華、片桐はいり、水田航生、川口覚、粕谷吉洋、千葉雅子、寺十吾、梶原善
観劇日: 2017年2月21日(火) 14:00
上演時間: 2時間30分(休憩なし)
劇場: シアタートラム
チケット代:  6,800円(K列) [パンフレット代:1,200円]


【感想 (あくまでも個人的なものです)】

夢かうつつか…嘘か真か…江戸川乱歩の妖しい世界が魅力的に表現された舞台でした。

黒木華さんが、謎めいた悪女「お勢」を演じていましたが、怖ろしいというイメージではなく、チャーミングで、どこか儚げで、でも時折ゾッとさせられる演技は、物語の雰囲気にぴったりでした。

そして、片桐はいりさんが素晴らしい。
暗くなりがちな話に、要所要所でコミカルに場を和ませてくれました。

江戸川乱歩の複数の作品をモチーフにしているので、冒頭の列車内のシーンから、その後繰り広げられる話が、どのように関連していくのか、最初は見えにくい部分もありましたが、最後はキッチリとすべてが繋がって、お見事でした(最後のオチも江戸川乱歩らしく、昔読んだ本を思い出して、懐かしく感じました)。

※ただ、休憩なしの2時間半(しかもシアタートラムの座席で)は、体力的にちょっときつかったです。



※昨年から、私の観劇記録は「レビューぴあ」にも投稿しています。よければ、合わせてご覧ください。
https://r.pia.jp/review/pia/list/reviewr/20832/insert_date/1

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